今年最後の長距離フライトが北米→香港というまたちょっと珍しいルートだったので紹介します。
全体としては、アトランタからカナダ・トロント、そこで乗り換えて香港までというルート。アトランタ(ATL)→トロント(YYZ)は2時間くらい、トロント(YYZ)→香港(HKG)は15時間という過去にないロングフライトです。メジャーな路線で長めなものだと、アジア→ヨーロッパが12時間くらい、北米東海岸→日本も14時間くらいです。給油休憩アリなら、いつも使ってるNZのロンドン→香港便がそのままオークランドまで行ってるので、それだと24時間(笑)だけど。
まずは、アトランタ→トロント。
朝6:20発という便だったので空港には5時前に着いたのだけど、職員が少なくてチェックインもセキュリティも列ができてました。アトランタはデルタが牛耳ってる(笑)空港でスタアラ系ははじっこに追いやられており、ずいぶん歩かされました。
AirCanadaは初めての利用です。スタアラゴールドメンバーになってから、いいように荷物詰め込んでるスーツケースは、AirCanada規定だと重量オーバーで本当は2つに分けないとなりません。同様の規定のLufthansaやAirNZでも実際に分けさせられたことはないのですが、ここではダメと言われました…初めてのエアラインなので、そういうこともあろうかとLondonで安物バッグを6ポンドで買っておいたのさフフフ。←日本から持ってこいよ。で、その場で適当に荷物分けてドロップオフ。やれやれラウンジで軽く朝飯にするか、と思ったらラウンジは5:15からとかで閉まってるし・・・なんなんだか。開くの待ってササッとたべました。まあアメリカなのでマフィンとジュース・コーヒーくらいしか無いですけど。
トロントまでの飛行機は久しぶりのボンバルディアCRJでした(CRJ-705)。CRJはちっこいので、普通は地面から階段で昇って乗るんですが、今回はビルから延びる通路で乗りました。これは初めてです。通路は中型機以上に合わせて作ってあるものだからCRJではジャバラが使えず空が見えるわ、足元は遊覧船に乗る時の渡り板みたいなのでつないであるわ…(笑)


ちっこい飛行機の割に、各席にディスプレーがついてました。AirCanadaエライな。ちとピンボケになってしまってるけど、ATL-YYZのルート。

フライトは2時間ほどですが一応飲み物が出てきます。アジア系男性のCAがワゴンを押してきたのですが、私には「お飲み物いかがですか」と日本語で話しかけてきました(笑)っていうか日本人でした。海外の路線で日本人CAに出会うのはこれが2回目(前回はドイツ内移動の時のルフトハンザ)いや珍しい。で、せっかくなので、搭乗したときに渡された税関のデクラレーションフォームについて聞いてみました。私は入国しないで乗り継ぎだけなのでイラナイのかなぁと思ったのですが、それでも必要だとのこと。いや〜日本語ワカリヤスイネ。(笑)
トロントでは税関のちっこいカウンターがあって、そのデクラレーションフォームを提出したのですが、パスポートにスタンプ押してくれました。イミグレーションじゃなくてカスタムのハンコですが、いい記念になりました。

続いて香港行き
機材は普通のB777です。エコノミーなのですが、また私の隣は空席で助かりました。スタアラゴールドメンバーになってから隣空席率が異様に上がりました。完全に満席じゃない限り空いてるんじゃないかと思えるくらいです。ここしばらく隣に誰かいた記憶が無いです。上級会員の隣席は空き、なんて都市伝説かと思ってたのですが(笑)そうでもないみたいですね。隣が空いていればさほどキツい思いはしなくて済みます。ロングフライトで私が一番キツいのが足のダルさなので、あぐらかけるとすごくラクなんです。
さて、トロントと香港の位置関係は、地図じゃなくて地球儀で確認した方がわかり易いです。最短ルートは北極近くを通って地球の裏側に回り込むようなルートになります。平面の地図だと左に旋回しながら飛んで行くかの様ですが、実際は真っ直ぐ飛んで行きます。真っ直ぐ飛んでいるのに機種の方向だけ、真北→北西→西→南西→真南、と180度変わっていくことになります。

フライトは、午前10時発の午後3時着(いずれも現地時刻)なので真っ昼間なのですが冬至も近くなってきているので極夜も楽しめました。バフィン島のあたりで日没。沈む直前の夕陽の色がものすごく赤かった。こんな赤いの初めて見ました。

地球の自転による日没じゃなくて飛行機が北上することによる日没なので、沈むのも時間かかりましたし、なかなか暗くなりません。しばらくはこんな空が続きました。

この時点で、もうすでに北米側のオーロラオーバルからは外れてしまっているので、残念ながらオーロラは期待できません。狭い窓からではなおさら・・・暗くなっているので下を見ても何も見えないし、ディスプレイのスカイマップを見たり星空を見たりして過ごしました。
で、このフライトで一番気になる最北地点なのですが、スカイマップの地図は北がぶっつぶれているし、北極は「海」なので目印になる様なものがありませんので実際に測位しないとどのへんまで北上したかわかりません。で、こういう時に限ってハンディGPSを忘れて来てしまって、仕方なく携帯のGPSでトライしました。携帯も機内モードにしちゃうとGPSも動かないのでナイショで電源ON(笑)
[携帯は完全に圏外であれば電波は出さないので理論上は機内モードと同じですが、機内モード以外での電源ONは法令的にはNGですし、基地局の電波をつかんでしまう様な場所であれば電波出てしまいますからマネしないでくださいね。]
測位してみると意外にスパッと測れたので、とりあえず電源OFF。
飛行機は真っ直ぐ進んでいますが、北極が近づくにつれて機首の方位はだんだん西になって来ました。完全に北極は通過しないということを意味しています。

窓からは↑の表示にあるResoluteという町の明かりが見えました。こんなとこにも町があるんだ、とあとで
Wikipediaに聞いてみたら200人くらいの人が住んでるみたいです。
位置的にはこのへん

相変わらず真っ直ぐ飛んでるハズの飛行機ですが、コンパスだけはじわじわと西に向いてきています。

地図上では方位の割に西に向いてますが地図が歪んでるだけ。

そして、いよいよ最北地付近。コンパスは真西になりました。

が、携帯のGPSは連続して測位失敗で、なかなかFIXしません・・・(汗)ハンディGPSみたいに連続測位ならこうはならないと思うのですが、衛星情報無しからの一発測位なので条件はちょっと厳しい。窓もちっこいし。でも試した時はあっけなくFIXしたので安心しきってました。
衛星配置が変わったからなのかとも思ったのですが、あとで計算してみたら、その緯度(85度くらい)を飛ぶジェット旅客機だと毎秒1'以上のスピードで経度が変わっていくわけで、それでFIXしづらくなっていたのかもしれません。結果、FIX出来たのはコンパスが真西向いてから15分以上もたってからでした。まあでも緯度は0.5度も変わらないでしょうし・・・
ってことで記録は北緯84°21'。あとで写真に位置情報貼り付けてメルカトル図法のGoogleMapに貼り付けてみたらほんとに地図の上端にいっちゃいました(笑)

ディスプレイのスカイマップ上、飛行機のポインターはなかなか動かないのですが、この北極通過の時だけはみるみるうちに移動していきました。真っ直ぐ飛行してるのにコンパスもどんどん動いて行くし、なかなか楽しかったです。
一通り遊びつくしてしまった(笑)ので、音楽聞きながらぼーっと過ごしていました。星は見えるのですが、見覚えのある配置の星が無くてどこ見てるんだかわかりません。
ひと寝入りして、そろそろロシアの陸地が近くなってきたころでしょうか、窓の外に小さな薄い雲が見えました。月明かりも都市の明かりも無いのに雲なんか見えるんかなー?と、よくよく見ると・・・これってもしやオーロラではありませんか??!!
オーロラは見たことがないので、どう見えるものなのか知りません。が、むにむに動いてるし明らかに光ってるし、縦方向に光芒が延びてるし、間違いないと直感しました。飛行機の窓は狭くほんの限られた範囲しか見えませんでしたが、かなり広範囲に広がっている様で、真上とか真横とか、いろんなとこで発生しては消えています。窓越しで見るには機内の明かりがガラスに映らないようにブランケットをアタマから被らないとダメですし、夜空見るのに慣れてない人だと何だかわからない程度の明るさでしたから、おそらく機内でも気づいてるのは操縦席の連中と私くらいではないでしょうか・・・20分くらい釘付けで見てました。どんどん変わって行くし、移動もしていくので目が放せない感じ。しかしまあ、この世のモノとは思えない不思議な感じがする物体ですな>オーロラ。
確かに星見るにはジャマだ(笑)>オーロラ
次回は是非、ガラス越しじゃない環境でお目にかかりたいです・・・
一応カメラにも収めました。全くオーロラには見えませんけど(笑)
しかし、カメラの長時間露出モードが探し出せないなんて相当アワくってたんだな。今カメラいじってみたら10秒で思い出したよ・・・とほほ。
「これこれ」のNo.72に載せておきました。いいかげんブランケット押さえてる腕が疲れてきて見るのヤメたところ、機内軽食のカップヌードルが配布されてきたので、それで余韻を楽しみました。(笑)
しかしまずいカップヌードルでした。さすがUSA生産品。日清の職員が食べたら怒っちゃうんじゃないか?
しばらくすると空(といっても地平線の方だけ)が明るくなってきました。
真っ直ぐ飛んでて、同じ側の窓から日没と日の出が見られるって、なんかちょっと珍しい気もします。まあ地球の自転による日の出ではないのですが・・・
眼下にはシベリアの不毛な大地が延々と見えていました。写真のでっかい川は、レナ川。バイカル湖まで行ってるらしい・・・

その後、飛行機は南下を続け南シナ海側の香港までユーラシア大陸を横断して行きました。北京のあたりは曇っていて何も見えず・・・万里の長城を久しぶりに見たかったんだけどなぁ〜

飛行機は、香港にだいぶ近づいたのになかなか高度を落とさないでいました。スカイマップでも香港まで100マイル切っててGroundSpeed 500mphなのに40分かかるとか矛盾した表示・・・と、香港をフツーに通過して海上に出てしまいました(笑)写真手前が着陸するべき空港。

要は南シナ海側から進入するルートで着陸する、ということだったみたいです。にしてもずいぶん遠回りしていました。
てなわけでアトランタのホテル出てから24時間、久しぶりの香港です。
いやー慣れてる空港、慣れてる街はホッとするねぇ(笑)

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