肝臓のアツいオヤジ

1980年代後半、のりちゃんとじんじんは表参道にある
「青山ダイヤモンドホール」という結婚式場で
駐車場誘導員のバイトをしていたことがある。

駐車場係には、もう一人、50代後半かと思われるSさん
という人がいたのだが、このSさん、挙動はまあまあ
マシなのだが、言動がお下劣だった。

Sさんと二人で車が少ない時間に、ボーッと立ち番して
いると、イキナリ
「おまえ、女の生理"嗅いだこと"あるか?」
と来る・・・
そんなオッサンだった。

外の仕事なので、雨の日は当然カッパを着て立つのだが
寒い時期だと、じっとしているだけに体が冷えてしまう。
そんな寒い雨の日、じんじんがまたSさんと二人で立ち番
をしていると突然Sさんが「うおっ」という言うような
うめき声とともにお腹を押さえはじめた。
ただならぬ雰囲気に、じんじんは「だいじょぶですか」
と手をかけた。

「肝臓が・・・」と体を曲げるではないか!
ヤバいかも・・・じんじんは助けを呼ぼうと思ったが
「アチ、アチチ・・」とSさんはジタバタしはじめた。

「熱い・・・肝臓、熱いよぅ・・・」

「は? 肝臓が熱いんですか???」
じんじんはハッと手を離した。

するとSさんは、「アチチチ」とか言いながらカッパの
前を開けて洋服の下へ手をつっこむと、ホカロンを取り
出した。
「こいつがあっつくなってやがって・・・チーッ・・・」

単にソレをあてがっていた場所が「肝臓のあたり」だった
というだけの、しょーもない話だった。

無事ホカロンを取り出したSさんは洋服を直すとまた
何事も無かった様に
「クッセーんだよな、アレ(経血のことらしい)・・・」
と、のたまい、宙を見る。

「な」って言われてもなぁ・・・

寒いなぁ・・・

車こないなぁ・・・

おうち帰りたいなぁ・・・

- END -
posted by Jinjin at 2006年02月13日_18:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | テキスト小作品 

木更津「はま矢」のシリアルジジイを潰せ!!

木更津「はま矢」事件


それはなんてことはない、いつもの携帯電話フィールドテストの昼休みの事だった。

木更津に来ていた私たちは「なんか寂しい町だねー」と言いつつ
昼飯を食べる店を探していた。
なかなかコレという店もないまま駅の近くにまで来た。

不二家レストランが目に入ったのだが、ファミレスなら別にいつでも行けるしなぁ
と横を見ると、質素な定食屋っぽい、のれんがあるではないか。
そこは焼肉屋らしいのだが、外に掲げているホワイトボードには
煮魚や刺身の定食なんかもやっているらしい事が書かれている。
値段も安かったので、ここでいっか〜と、その「はま矢」という店に入った。

中では二人連れが食事中。

ぱっと見、席数16程のなんてことは無い安い店なのだが
空きテーブルの席に座って周りを良く見ると、明らかに手抜きな書き方のメニューや
無造作におかれたカセットコンロと焼肉鍋(?)、それに壁際の奥のテーブルが
店員の事務机に使われていたりして・・・。
私らは、ちっとまずったか、とは思ったが、時間もないしそのままオーダーする事にした。
店員はじいさん一人で、私らが席についても厨房からは出て来なかったので
「これは少し時間かかるな」
という空気が流れた。

私らは頼むものを決めたので、じいさんを呼んだ。
すると「はーいちょっとまってくださいねー」と返事があり
じいさんはお茶を運んできて、注文を聞いてくれた。
私は、焼肉屋だし、と焼肉丼(450円)
一緒にいた同僚Tは刺身定食(800円)、UとKは鯖の煮つけ定食(480円)
をそれぞれ注文した。

じいさんはまた厨房にひっこんだので、私らは適当にヨタ話をしていたのだが
同僚Tのすぐ後ろでNHKお昼のニュースを映していたテレビが
突然画面を乱し、びにょよよよよよよよよという異音を発した。
「うわっうるさ!」
Tが振り向くとテレビは何事も無かった様にNHKを映していた。
「なになに、人体影響?」
「原因おれ?」
とTは体を動かしたりしてみたが、別に室内アンテナを使っているわけでもなく
人体の位置は無関係の様だった。
が、その後もテレビは突然画面を乱し、びにょーーよーよーよーーよよょょょと
異音を発した。
私はもし30秒それが続いたら問答無用でテレビを消すつもりでいたのだが
同僚3人も同様の事を考えていたらしい。
この時点で、しょーがねー店・・・という気持ちはほぼ確定的になってきていた。

5分ほどすると、じいさんはタクアンと小鉢を運んできた。
小鉢の大きさは普通なのだが、その中には3センチ角程度に切ったさつま揚げが4切れ
ちまちまっと収まり、すでにしょうゆがかけられていた。
が、小鉢が濡れていたのか、さつまあげについていた水なのか
小鉢の底に水があり、しょうゆがそこにたれて微妙な感じになっていた。
食べてみるとまあ普通のさつま揚げではあったが・・・

それから10分くらいたったであろうか
厨房は我々のすぐ後ろの壁の裏にあるのに、あまり作っている様子がしないなぁと
思っていたら、じいさんが顔だけだして
「焼肉丼、だったよね」
と言う。
「そうですよ」と私が答えると、その直後


チッチッチッチッチッ


おーーーーーぃ、今コンロに火入れただろ!!今まで何やってたんだよオイ。
私らは苦笑状態に・・・

それから5分くらいして、最初に私の焼肉丼が運ばれてきた。
丼のフタを開けると、ご飯の上に5センチ角くらいの薄切り肉が
4切れ乗っているだけであった。
タレはかかっているものの、とにかくそれだけであった。
「安いけどさ・・・もしかして、そこにあった吉牛行った方がマシ??」
「マシだね・・・明らかに」

私が食べ始めると
「オレのは調理不要なはずなんだけどね」と刺身定食頼んだ同僚T。
「当然シリアル処理でしょ、くくく」と私。

私の焼肉は、ごはん2/3を残して、丼から姿を消した。
その焼肉は豚のしょうが焼きに限りなく近い、朝鮮焼肉風味付けの牛肉
「のような物」
しかも焼き過ぎで固くなっている、のかと思ったが焦げ目が無い。
「もしかしてチン?」
「かも」
「コンロつける音したけど、ジューッとは言わなかったね」
ハァ・・・私はかろうじてタレの味でご飯を食べ続けた。
よくよく考えてみると、正真正銘の猫舌の私が、なんのためらいもなく食べられた
という事からして、あの肉の温度は出来立てとは到底思えない。

そのあと二人連れが店に入ってきて席についた。
ああ、彼らも被害者か・・・かわいそうに。

次に刺身定食が来た。
皿の上には「これ、刺身みたいだけど、ほんとは何?」という色をした
ものが5〜6切れ乗っていた。
それは一切れ数センチ角はあり、大きさは大き過ぎるし
美しい白い縞模様が・・・
「スジっぽくてかみ切れん・・」
良く見ると皿の上には、しましまの刺身の様なその物体以外には山葵しか乗っていない。
どうも殺風景な定食だと思ったら、刺身しかないのだ。
つまり刺身定食とは、ご飯と刺身だけ!!??
小鉢のちまちまさつま揚げとタクアンで定食か!?

「ところで味噌汁とか、って無いんだっけ?」
ご飯を食べていた私がそう言ったが、もう同僚達からは苦笑しか返ってこなかった。

その時、またサラリーマン風の客が店のドアをがらっと開けた。
「あー、かわいそうに、また被害者が・・・」
「場所はいいから、客来ちゃうんだよ、きっと」
と会話していると、厨房のじじい(もうじいさんからは格下げ)が
予想もしないコトバをはいた。

「あー、ごめんなさいねー、もうご飯ないからー」
びにょょよよよよよよよ(TVの異音は続く)

なにおーー、私らが来る前にそんなに客いたか!?
ふたりしかいなかったぞ。
今12時半だぞ、まだ。
かきいれどきに混んでもいないのに、ご飯なくなるって
そりゃどういうわけ??
おまえんちは4合炊きか??

と同時にわたしらの間に
「もしかして、昨日の残りご飯??」
という空気が・・・
というほどご飯がジャー臭くなってないのは、ジャーの電気もったいなくて
冷や飯でおいといて、今チンしたからか?

今日店を開けた時のジジイの行動は・・・
コンセント抜いたジャー、または昨日の午後に炊いたご飯が入ったままの釜の
蓋を開け、「あーまだ残ってたんだっけ、今朝は炊かなくてもこれ使えばいいや」
バンっ(フタを閉める)
に違いないのだ!!
今までのジジイの行動、出てきた料理だけからでも、そこまで明確にイメージ出来る程に
ジジイは信用を失っていた。

もう呆れは最高潮状態。

私のご飯があと1/3という頃、残りの二人の頼んだ鯖の煮つけ定食が来た。
当然皿の上は鯖の煮つけ「だけ」である。
同じメニューを頼んだのが幸いして、奇跡的に二人分同時に運ばれてきた。
これは、このジジイが生まれて初めて実行した並列処理に違いなかった。

無口となって一品定食を食べる私らの横に、一度厨房に引っ込んだじじいが現れ
「一つづつ取ってね」
と味噌汁の乗ったお盆を差し出した。

てめー今頃もってくんなよ!!!シリアルジジイ!!(更に格下げ)
そして我々がそのお碗をかすかな違和感とともにテーブルに下ろした直後
同僚Tが

「おい!!」

とキレる前兆の信号音を発した。
その直後、私もその理由を理解した。

テーブルにおわんを置いてみると、そこには限りなくオニオンスープに近い色合いの
濁った「水」にとろけたネギの様な物が漂っている、とても味噌汁とは思えないが
味噌汁以外にも見えない不気味な物が・・・。
しかも湯気はいっさい見えない。

「ね、猫舌にはありがたいかもね」
私はおそるおそる、それをすすってみたが、その温度は明らかに体温以下
(おそらく温水プールの水並の温度)だった!!

我々の呆れは最高潮に達していたはずだが、更にそれは厚みを増して
憎悪の念がまじり始めていた。

われわれがどうにか食べ終わるまでに、シリアルジジイは
ご飯が無いという理由で数人の客をロスしていたが、きっとジジイには
どうでもいいこと
なのだろう。
どうせタクアンも品切れに違いない。
なんの根拠も無くわたしはそう思った。

そして会計。
まさか、ここでジジイにダメを押されるとは思っていなかった。
450円払えば、この煩わしい空間から開放されるのだ、とそれだけを考えていた。

会計は、最初に刺身定食の同僚Tだったのだが、ジジイは威勢よく
「焼肉丼は450円ね」
とトチ狂った事を言っていた。
びにょーびにょょよよ
「うるせえ! テレビこわれてんなら消せよ!!」
私は呼吸を落ち着かせ、会計の列にならんだ。
と、会計を済ませた同僚Tが、私の横を通る時
無言で手のひらに乗ったおつりを私に見せて行った。
そこには50円玉が4枚乗っていた・・・
Tは私の反応すら見ないでそのまま店の外へ出た。
「どういうこと?」というTの心のつぶやきが私には聞こえた気がした。

私は前の鯖の煮つけ定食の会計をしている同僚UとKの後ろで
脱力感のためにへたりこんでいた。

私は最後になったわけだが、ジジイはどうせあと何の会計が残っているかすら
認識してないに違いないと思い「焼肉丼」と自分から申告した。
「はい、焼肉丼450円ね」
私が1000円札を出すと、ジジイは「こまかいの無い?」という。

いちまんえんさつでならときどきいわれるこのことばであるが・・・
同僚Tの「心のつぶやき」の答えがコレだった。
あの時点で100円玉は、なくなっていたのだ。

私は小銭が300円くらいしか無いので、1000円札を出したのだが
一応、小銭をあさるしぐさをして「うーん300円くらいしかない」

と、何を思ったのかジジイは私のサイフに手をかけ、自ら小銭をジャラジャラ
やり始め、これこれ、500円、と500ウォン硬貨を指さすではないか。

私は知らないオッサンに自分のサイフあさられたのは初体験だったので
あっけにとられていじらせてしまったのだが
そのまま500ウォンで支払ってやれは良かったかも、と思ったのは
木更津から帰る時であった。
確かにそんな海外通貨をサイフに入れてる私も私かもしんないけど
そんなのはよけーなお世話だ。かんけーない。

「あ、それはねね500ウォン、韓国のお金」
そう説明するとジジイはしょーこりもなく500ウォンを私のサイフから取り出し
書かれたハングルに見入って感心している。

「てめー感心してねーで、早くすませろ!」

とは言わなかったが、私が無言で「ぴしっ」と500ウォンを取り上げると
ジジイはわれに返って、10秒ほどして
「どうしよう、おつりないなぁ」
どうしよーってさぁ・・・
私は仕方なく同僚に両替してもらいに出ようかと思ったのだが
その直後
「あっ」
という声とともに
「ちょとそこで両替してきます。」
ジジイは走って店の外へ出て行ってしまった。

「あっ・・て、さぁ・・・思いつきかよ・・・」

私はジジイがいないスキに、そのまま払わないで出ても
きっと罪悪感を持たなかったと思うのだが、脱力感のために
そんな「常識的な行動」すらとれなくなっていた。
あの料理とこの対応に対してお金を支払う義務は無いと思われた。

待っている間、私は厨房を見て
「独り暮らしの老人が残り物をチンして出してくれたのと同値かも」
と思った。
チッチッチッチッというコンロの着火音で気づかなかったのは不覚だったが
「プロがそんなチッチキチッチキ言うコンロ使うか!?」
厨房にあったのはごく普通の家庭用コンロであり、流しには
タクアンの入っていたビニール袋が無造作に捨てられ(流しはごみ箱か?)
パイプイスの上のお盆には、残る二人の客が食べるはずの
味噌汁様のスープがお碗に入って静かに湯気をあげていた。

「ゆ、ゆげ出てる・・・」

もしかしてわれわれのテーブルに味噌汁運んだ後に加熱したのか!?
でもきっと、あの二人がそろそろご飯を食べ終わる頃までここで静かに
熟成されるのであろう。
そしてあのネギはまた一段とトロトロになるのだ。

それでも体温以下にまで温度が下がるとは思えなかったが・・・

戻ってきたジジイは、どこで両替したのか100円玉10枚を握りしめていた。
もしかして、それでいいつもり?
私に550円払って、あとの二人の客が1000円札出したらまた同じ事するわけだ。
おつかれさま。

私はジジイからお釣りをもらって帰る事しか考えていなかったのだが
このあと「まださらに」ジジイとのプロトコールが2ステップも残っていようとは
思いもしなかった。

1ステップ目

はい、おつり520円。
ぢゃらッ・・・

え?
焼肉丼450円じゃないの? 税別?にしても高くないか?
ジジイ、さっき自分で焼肉丼450円って言ってたよな・・・
私は「おつり550円じゃないの?」とクレームつけた。
するとオヤジは
「煮魚定食は480円」
「あのさー」
温厚な私もついにコトバを一瞬荒らげたが、再び呼吸を整え
「焼肉丼だよ」
というと、あ、そう? みたいな反応。

きっとさっき両替に走った時に日光の紫外線浴びてメモリーの一部が消えたか
走った事で負荷かかって電圧低下したか、走った振動で瞬断でもおきたに違いなかった。
バックアップ電池はリチウムではなく水銀電池で、とうに切れているのであろう。
瞬断に耐えるはずもない。
ジジイは納得した様子だったので、これで帰れると思ったが
次のステップがあった。

「はい20円」

・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

「あと30円でしょ!!!」

あ? そう? なんで?
といわんばかりの反応のジジイはやっと私に550円の小銭を渡し終えた。

私が外に出ると、待ちくたびれた同僚3人がニヤニヤして
出迎えてくれた「なになに、なにやってたの?」

私はせききった様に今の出来事を説明すると
同僚達は爆笑

更に私は気づかなかったのだが、私らの後の二人連れは
オーダーしていない「煮魚定食」を強制配給されて
仕方なく「それでいいよ・・」と食べていたらしい。

そして我々は
(特に「不思議色の刺身っぽい何か」を食べたTは)腹痛が襲ってきやしないかと
ビクビクしながら午後のフィールドテストを行ったのは言うまでもない。

--------------
近頃刺激の無い毎日に嫌気がさしているアナタ。
迷わず木更津の「焼肉はま矢」へ直行だ!

でも焼肉屋には見えないぞ!

あと

早く行かないと


ご飯ないぞ!!!
急げ!!!!!!!!!

- 完 -
posted by Jinjin at 2006年02月10日_22:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | テキスト小作品 

口火マニアの話

ねーぇ、うちのダンナったらさ、また口火点けっぱなしでねちゃっ
たのヨ

あら、うちもよ。やーねー、使いもしないのにつけっぱなしで
ほんともったえないったらありゃしない。

使い終わったらさっさと消せばいいのよねぇ
昔みたいに口火点けるのにもマッチがいるとかならまだしも。

使う時にちょっとスイッチいじるだけじゃないの。
それなのに蛇口ひねったらすぐお湯が出ないといやだとか
だいたいこの季節にお湯を使うなんて方がどーかしてると思うわ

そうそう、口火っていえばぁ、山田さんとこのご主人、夜中に
一人で外に出て湯沸器の口火をじっとみてるんですってよ

えーーほんとに?
それってかなりアブナイんじゃないの?やーねぇ。

でね、でね、その先がすごいのよ、今日ね「口火愛好家の集い」
に行ってるらしいのよ

なによそれ
新手の詐欺か宗教じゃないの?

うーん、わかんないんだけどぉ、やっぱり口火用品とか買わされて
るみたい。

口火用品???
世も末ねぇうちも注意しなくちゃ・・・



そのころ口火愛好家の集いの会場では・・・

いやー口火はいいねぇ

そーだねぇ、口火がついてればすぐお湯が出るし。

口火が点いてなかったために水をかぶった事が何回あったことか!

そーそー、そんな時は口火の有り難さをヒシヒシ感じるよねぇ

メインバーナーなんて言って威張ってたって口火がついてなけりゃなんもできないんだ

そーそー、その点口火はエライよな、わき役に徹して文句も言わず・・・

なのにうちの女房は「お湯も沸かせないのにガスだけ浪費してる」なんて言うんですよ

浪費はひどいなぁ、口火だって細々と湯沸器の中をあたためてるのに。

奥さんはきっと湯沸器の中でついている口火を見た事が無いんだろう

そーだねー、最近は湯沸器が外にあるからねー

一度湯沸器の中の口火の姿を見せてあげたいね。

うん、あの姿を見れば口火がどんな思いでついているのかきっと分かってくれるよ。

いやーそれが、こないだ見せたんだけどさ、夜中に起こして口火がなんなの?私と口火と

どっちが大切なのよとか怒っちゃってさぁ

そーかぁ、なかなか難しいなぁ



えー、みなさん大変お待たせいたしました。
これから口火用品のカタログ販売の申込み受付を行います。
今回はスイッチを切っても口火が消えない「クチビキープ」と、
ガスが止まった時もカセットボンベを付けるだけで口火だけを確保する
「スーパークチビキープ」が大変お買い得になっております。
なお、この申込みの終了後、みなさんお待ちかねの「口火点火ツアー」に
出発しますので15:00迄には会場前の駐車場にお集まりください。



「ただいま」

「あー疲れた」

「あーっ、ガスつけっぱなしぃー」

「げげ」

「もったいない・・・」

「口火愛好家の仕業だな、今朝は確かに消したもん」

「全く迷惑ねー、ガス代誰が払うのよ」

「あいつらは家の人が帰ってきたらすぐにお湯が使えるようにと思ってやってるんだからなーまいっちゃうよな」

じんじんはカチッと湯沸器のスイッチをOFFにした。

しかし玄関の外では一人の口火マニアが湯沸器を覗き込んでニヤニヤしていた。

「フッフッフ、消えない消えない。私がクチビキープを取り付けたとは、おてんと様でも気づくまい。クックック・・・」

posted by Jinjin at 2006年02月10日_22:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | テキスト小作品